小さなハエに似たブユを知っていますか。関東ではブヨ、関西ではブトと呼ばれています。体長は2~5mmと小さいのに、刺されると赤く腫れ上がったり、激しい痒みや痛みがあり、腫れが1ヵ月以上ひかなかったり、痒みが数年続くことがあります。
アウトドアでブユに遭遇する
「ブユは春から夏(5~9月)にかけて活発に活動しますが、夏のハイキングやキャンプなどで訪れる渓流沿いや高原で遭遇することが多いです。ブユが人を刺すのは、蚊と同じようにメスが卵の発育に必要な栄養分を血液から摂取するためです。吸血は日中に行われ、朝夕に旺盛ですが、夜間には吸血しません」と言うのは、アース製薬研究部生物研究課の有吉立課長です。 ブユは水中や水際に卵を産みますが、幼虫は水質汚濁に弱いため、水質の指標昆虫になるほどきれい好きです。そのため都会では見られない時期もありましたが、水質が浄化された地域では都会の公園でブユに刺されたという報告もあるそうです。
ブユは出血させて血を吸い取る
ブユに刺されると傷跡が残るのはなぜでしょうか。 「ブユは蚊と違って、刺すときはノコギリ歯のような口で皮膚とその中の毛細血管を傷つけ、にじみ出てきた血液を吸い取ります。そのため出血や出血斑を生じることが多いです。吸血時間は1~2分程度ですが、ブユの体が小さいため吸血に気がつかないことがあります」(有吉課長) ブユに刺されると痒みが長引くことがあるそうです。 「痒みなどはブユが刺すときに注入する唾液腺物質によるアレルギー反応のため個人差が大きいです。強い炎症反応で腫れ上がったり、激しい痒みが長く続いて慢性化することも少なくありません」(有吉課長)
キャンプやハイキングではブユ対策を
ブユに刺されたときはどうしたらよいのでしょうか。 「ステロイド外用薬を早めに塗布することです。渓流付近や高原に行った後、ブユに刺されたことに気付いたら、皮膚科で診てもらうことをオススメします」(有吉課長) ブユに刺されないためにはどんな対策が必要でしょうか。 「ブユが多い高原や渓流沿いでは、できるだけ肌の露出を避けてください」(有吉課長) 「どうしても肌が露出する腕や足などは、人体用虫よけ剤を約15cmの距離からスプレーしてください。首筋などは、まず手のひらにスプレーして、その手で首筋などに塗ってください。人体用虫よけ剤は、塗りむらがないように塗ることが重要です」(アース製薬ブランドマーケティング部・渡辺優一シニアブランドマネージャー) これからの時期はアウトドアを楽しむ人も増えると思いますが、刺されると厄介なブユにはくれぐれも気をつけてください。
ウェザーニュース
Source : 国内 – Yahoo!ニュース